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施設紹介

 樫原本陣は、本陣遺構として京都市内に唯一現存する歴史的建造物です。

寛政9年(1797年)の大晦日に類焼したため、現在の主屋は寛政12年(1800年)に再建されたときのものです。内部の一部には大きく手が加えられていますが、西面・正面寄りの各室は改造が少なく、中でも西列最奥の6畳は床を一段上げて「上段の間」として造られ、「上段の間」の南に続く「二の間」「三の間」を合わせた3室は書院造りの構成となっており、本陣座敷としての様式を整えています。

 また、主屋の後方にある土蔵は、棟札により明和3年(1766)に建てられたものであることが判明しています。

樫原本陣の歴史

京都市西京区の桂川右岸に位置する、旧山陰街道の宿場町「樫原(かたぎはら)」は、山陰街道と物集女街道(西国街道)とが交差する交通の要衝であり、江戸時代には参勤交代の宿場町として大いに栄えていました。

中でも、大名・公家などの限られた人々だけが利用できる宿泊施設「本陣」にあたる樫原本陣は、伏見宿の本陣が現存しない今日、京都市内で唯一残る本陣遺構として、平成4年に京都市指定有形文化財として登録されました。

樫原本陣は、経営廃止となった明治時代以降から現在に至るまで、姿を変えることなく旧山陰街道の宿場町としての歴史ある趣きを今に伝えています。